ハリエットは、いつも義理の妹グレンダに欲しいものを奪われてばかりだ。ドレスも、愛犬も、両親の愛情ですら。成長するにつれ、ハリエットは物への執着も薄くなり、しまいには知り合いが誰もいない、どこか遠くに嫁ぎたいと願うようになる。
 やがて、婚約者として、マティアスという青年が紹介されるが、どうせ彼も直にグレンダの餌食になるだろう。――そう考えていた矢先、ハリエットはある計画を思いついた。